野菜の栄養

野菜の栄養低下

一見豊かに見える現代の食品ですが実は栄養価の点で、昔の食品と比べて劣っているものが多くあります。

 

特に野菜にそれが言えます。今と昔の野菜の栄養価の比較・・・堆肥を主な肥料として作られた、有機農法によるトマトやきゅうりを食べられた人も多いと思います。それらの野菜は本当においしく、栄養にあふれているように感じられます。

 

一方スーパーなどで売られている普通の野菜はどうでしょうか。見た目にはきれいでも、野菜らしい味もなく、ただ水分と繊維質からできていると感じられないでしょうか。

 

北海道立中央農業試験場が、ほうれん草のビタミンCの含有率を調査したデーターです。   ほうれん草100g中のビタミンCの量 1950年150mg 1963年100mg 1982年65mg 1994年8mg このデータによると現在35歳〜55歳くらいの方が子供の頃に食べていたほうれん草に比べ、現在のほうれん草にはたった10%ほどしかビタミンCが含まれていないことになります。

 

私たちが子供の頃は、ほうれん草が嫌いな子供がほとんどでした。それが現代の子供はほうれん草嫌いな子は少ないそうです。その理由は、ほうれん草に含まれる栄養価が激減したため、味自体が変わってきているのです。これは、ほうれん草だけに限ったことではなくすべての野菜について当てはまります。

 

私たちの食生活の問題点は、野菜自体の栄養価が減ってきているのに、毎日食べる量が変わっていないということです。単純に言って、

 

昔と同じ栄養(ビタミン・ミネラル)を摂るには野菜を10倍食べればよいということになります。問題は毎日、今の10倍野菜を食べられるでしょうか。多くの人の答えは、「それは無理だ」だと思います。なぜこんなことになってしまったのでしょうか。 

 

それは、
1.農法の違い・・・有機農法は、土の中に住む菌類・細菌・微生物などの力を利用して野菜を栽培します。土の中の菌類などは、土中の様々なもの(動植物の死骸や糞など)を分解し、植物の成長にとって必要な肥料に変える役割をします。ですから堆肥を使った有機農法では、土中の菌類などが堆肥を分解し、その結果できたミネラル類や微量成分が野菜に吸収されるため、おいしく栄養が豊富な野菜ができあがります。しかし、有機農法は多くの手間,時間がかかります。また、できた野菜も虫が食っていたり、形が曲がっていたりと見かけは良くありません。このように有機農法で作られる野菜は、私たちが日常的に食べている「できるだけ早く,安く,手間が少なく,見かけの良い野菜」とはまったく正反対のものです。

 

2.流通の違い ・・・野菜の栄養価が減っているもう一つの原因は、産地から消費者に野菜が届くまでの過程、流通にあります。昔は野菜は畑から摂ってすぐに八百屋さんの店頭に並び、その日のうちに食卓に上がりました。現在では、畑から収穫された野菜はトラックに積み込まれ、複雑な流通経路をたどって、まず倉庫に入れられます。時には価格安定のために、長時間倉庫で保管される場合もあります。そうしてやっと店頭に並んだところで、私たちが購入します。そして購入後も冷蔵庫で数日間保管され、やっと食卓に上がります。ビタミン・ミネラルには安定性の悪いものが多く、時間の経過や衝撃で急激に失われていきます。かつて野菜が泥つきのまま売られていた頃には、泥に含まれるミネラル分が乾燥と栄養の劣化を防いでいたのですが、泥を洗い、きれいにして店頭に並べられる今日、野菜から水溶性ビタミン、ミネラルが失われてしまいます。

 

3. 調理によって失われる栄養・・・水溶性ビタミンである、ビタミンCやビタミンB群などは調理の過程でも失われていきます。例えば、ほうれん草を水に5分間さらすことでビタミンCが20%失われます。その後1分ゆでるとさらに26%失われます。カロチンも加熱により10〜25%失われてしまいます。このように私たちが食べている野菜は本来含まれていたものよりもずいぶんと低い栄養残存率となります。